パチンコ台の出来るまで

パチンコ台の開発には、最低でも1年半はかかる

台枠・盤面

派手に飛び出す役モノやプレイヤーを圧倒させる大画面液晶によって、年々進化し続けるパチンコ台。
このパチンコ台がどうやってつくられているか考えた事はありますか?
今回の「パチンコを科学する」では、パチンコメーカーの協力を得て、パチンコ台が出来るまでをご紹介します。

パチンコ台の開発は、大きく「台枠」と「盤面」をつくる部門に分かれ、さらに企画、デザイン、設計、ソフト開発、ハード開発の各専門チームに分かれて開発を進めます。まずは、基本コンセプト(世界観)を決めて、それに合わせて各チームが動き出します。
世界観とは、お客様が機種を遊技することを通じて、仮想現実として感じてもらいたい世界のこと。これに基づいて、液晶画面に表示される映像や盤面・役モノのデザインなどが決まっていくのです。
このなかで最も時間がかかるのが、液晶画面の映像と役モノなどとの演出連動で、最低でも半年、通常は1年半が必要。複数のステージを持っていたり、リーチアクションのパターンが多いとさらに時間がかかることになります。
これらの開発が終了して、機種発表会を行い、製造、ホールへ設置していくステップをたどると、開発着手からお客様が遊技するまでには、2年間程度かかるのが一般的です。
2年後のお客様ニーズを予想しながら機種を開発していかなければヒット機種を生み出すことは出来ません。

まずは、世界観をつくることから始まる 企画 設計 デザイン ハード開発 ソフト開発 開発チーム
check 一人前の開発担当者になるには

昔は、一人の職人が全てを把握しながら、開発を進めていましたが、今の開発は、各チームに分かれていているため、すべてを理解することは難しいのです。

このことから、何年で一人前になるという職人的な開発ではありません。開発経験が長いほうがよいというわけでもなく、例えば、企画チームの場合は、若い人の方が鋭いアイデアを出して、採用されるなんて事もありますね。

役モノが大きくなればなるほど、釘の配列をつくるのに苦心

釘の左半分しかない機種が増えている

パチンコは、玉が盤面をきれいに流れていくことで、見ていて楽しく、ドキドキ感を楽しむことができます。入るか入らないかを期待しながら玉の動きを追ってもらうために重要な要素が釘の配列。玉を散らしたり、集めたりしながらスタートや役モノに入るように釘配列を設計していきます。
お客様は、釘の配列を気にされることは少ないのですが、どのくらいの割合で役モノに入るとおもしろいか、スタートチャッカーへどのように玉が流れると期待感があるかなどを考えながら設計していきます。
最近は、役モノが大きくなってきたため、左半分しか釘配列がない機種も増えています。役モノの空いているスペースに釘を配列しなければならない為、釘の配列を考えるのが腕の見せどころです。開発者は、お客様が玉の流れに一喜一憂する楽しさを演出するために、つくっては試し打ちをすることを繰り返し、より楽しい玉の流れをつくるために配列設計をしていきます。
たった1本の釘の位置で、玉の流れが大きく変わるため、何度も試しながら数カ月かけてつくっていくのです。

パチンコ台はこうやってつくられている

現在のパチンコ台はベニヤ板またはアクリル板でつくられています。かつてはベニヤ板だけでしたが、最近は、背後の役モノやデザインを見せることのできるアクリル板を使った機種が増えています。
ベニヤ板は一定の基準(硬さ、高さ)を合格したベニヤを使っており、メーカーによって南洋材を原材料にしているものと、ブナ材を原材料にしているものがあります。南洋材のほうがやわらかいという特性があります。

製造の流れ

  • ①ベニヤの表面に糊を塗る ②ベニヤの表面にセル版を貼り付け ③基準穴を開ける
  • ④ゲージプレス機で釘の打ち込み位置調整、プレス ⑤釘の打ち付け ⑥釘が正確に打ちつけられているかのチェック
  • ⑦風車のとりつけ ⑧役モノの取り付け ⑨主基板のユニットの取り付け
  • ⑩検査及び出荷 このように様々な工程を経てパチンコ台がつくられ、パチンコホールへ導入されています。

メーカーとしてのパチンコ台へのこだわり・工夫

長時間握っていても疲れないハンドル

ハンドルイメージ

台枠や盤面だけでなく、お客様がより快適に遊技出来るように、ハンドルの設計にもこだわりをもって開発しています。

握りやすく、微妙な打ち出し調整をしやすく、さらに優れたデザインを求め、お客様に機能性も満足して頂けるパチンコ台づくりを心がけています。

パチンコメーカーとしての節電対策

節電中

最近では、一定時間遊技していないと節電モードとなる遊技台が増えています。メーカーによって異なりますが、従来の遊技台より20~30%の電力削減が期待出来ます。少しでも使用電力を減らすようにしています。

また、製造現場ではパチンコ台の製造時の節電のために製造時間帯の調整を行うよう努力もしています。

企画から製造まで、様々な工程を経てパチンコ台がつくられ、パチンコホールへ導入されています。
どんなふうにつくられているかを想像しながらパチンコを遊技すると、新しい楽しみを発見できるかもしれません。